資本主義に代わるものはあるのか

最近、「このまま資本主義を続けることは可能なのか」という疑問をずっと持っています。世界的にも、資本主義を見直すべきという潮流が生まれつつあるが、まだ主流となるには至っていないように思います。

資本主義を疑問視するのであれば、共産主義を主張するのかという意見を持ち出す人もいますが、共産主義が失敗したのはソビエト、東欧諸国の歴史を見れば明らかではあります。ただ、共産主義の何がいけなかったのか、その失敗の本質は何だったのかという点は興味がありました。そこで、日本における共産主義の興隆と失速の過程を学ぼうと以下の2冊の本を読みました。

真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960

激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972

学術書ではないですが、左右どちらの側にも与していない著者2人による対談形式であるため、感情的な糾弾でもなく擁護でもなく史実を解きほぐしていく内容となっていて大変わかりやすい構成でした。

資本家階級に抑圧、搾取された労働者階級が、自分たちの理想とする世界を築くために始めた運動が、やがて新たな抑圧と暴力に支配された活動へと変貌していく様は衝撃的で、共産主義へのアンチテーゼが今なお強いことの理由が明解に述べられています。資本主義への疑問は強くとも、対案として共産主義を持ち出すことはあり得ないという意を強くしました。

ただ、戦後の左翼運動の歴史を読む中で、当時の大学生たちが方向性こそ誤りはしたものの、徹底的に思想を深め議論を尽くし一つの理念を具現化しようとエネルギーを注ぎ続けた点には、大きく揺さぶられました。私も含め、80年代90年代以降の大学生はここまで自ら思索を深めるようなことをしただろうか。最近の大学生たちの活動を見ていても、エネルギーは注ぎ込んでいるのでしょうが、基底となる思索をどこまで深めているのだろうかと訝ってしまうことがあります。

資本主義に明るい未来は微塵も感じられない。一方で、取って代わる新たなシステムも出てきそうにない。なんとも希望のない世の中だと痛切に感じます。